期間限定のシンデレラ

なにもかも忘れたくない

イス取りゲーム

 

幕張が終わりましたね。公式から感染者の発表もなく自分自身も元気であるということを含めての終わりです。わたしは幕張公演には入りました。とてもとてもきれいで素敵な景色でした。ここで話したいのはこんなことではありません。推しがかっこよかった話は常日頃からしているので今回はしません。 

 

公演に入ったとこに前向きになれない自分がいるんです。自分はいま千葉県どころか関東には住んでいません。東京に近い田舎にいます。何人ものひとが、関西に住んでいるから、お仕事柄人混みに行くわけには行かないから、本来ならば公演に入れるような人が諦める選択を余儀なくされていました。にもかかわらず、自分はバスと電車を乗り継いではるばる(?)千葉県の公演に参加しました。べつに遠征してきた人を攻めている訳ではありません。自分の中でモヤっとしたものを抱えているだけです。

 

余談ですが、去年までしっかり目に受験生をしていました。そのわりにはTwitterやっていました。懺悔させてください。アーメン。大学は自分の成績とやりたいことと東京との距離感を考えて決めました。だって大学生になったらいっぱい現場行くつもりだったんだもの。1年間いろんなことを犠牲にしたかわりに勉強をしました。なによりも推しの出る舞台を見に行けなかったのが悔しかった。簡単に行ける距離なのに1公演も生で見られなかった。3月頭の豊洲ソロ祭りだって頑張れば申し込めた。なのに、あんなにかっこいい推しを見られず、ただ楽しそうにする友達の話を指をくわえて眺めることしかできなかった。もうこんな思いはしたくない。それが本心です。行ける距離なら行きたいし、入れるなら入りたい。その一心で大学が決まったあとのFC二次に出しました。

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という書きかけのブログが出てきました。21年5月頭ぐらいに書かれたものだと思います。


わたしのオタク人生は実に感染症に振り回されたものでした。やっとの思いで取れた公演が中止になったりパーテーション越しでしか話せなかったり思い通りに行くことだらけではありませんでした。もしかしたら卒業はもっと後ろ倒しになったかもしれません。
でも、それでも恵まれていたと思います。守るべきものも一緒に暮らす家族もいません。東京近郊に住んでいたこともとても恵まれていたと思います。

 

何人もの人がイベントに行くことを諦めているのを見ました。職場が医療や福祉関係で重症リスクの高い人と接する機会が多いから、離島に住んでいて自分が感染症を広めてしまうかもしれないから、一緒に住む家族に移してしまうかもしれないから。色んな人が色んな理由で誰かのことを考えてイベントに行かない選択をしていました。そんな中で自分が平然とイベントに行くことに引け目を感じていました。わたしよりも愛情が深くて長く応援しているひとがいるなかで、その人が苦渋の決断をして空いた席に座ることが苦しくありました。もっとこの席に座るのにふさわしいひとがいるはずなのにそこの席に自分が座って楽しんでいることに罪悪感がありました。

 

愛情が深いとはただの推している期間の長さだけでは測れません。どれだけの頻度で会いに行くか、会いに行くのにかけている時間や準備の費用、会ってからもどれだけ誠実に応援できるか。あらゆる点において自分は未熟であると感じていました。時間を巻き戻したりお金を際限なく自由に使ったりはできないから少しでも誠実に胸を張って暮らしてきたつもりでした。授業を休まず成績もキチンと取り、かかる費用は自分で働いて得たお金だけにし、周りに流されそうでも赤信号では道路を渡らないようにしたり。すこしでも自分にほかのひとと劣るところを減らせるように過ごしてきました。 

 

 

その生活は彼がアイドルを辞めてもきっと変わりません。もしかしたら彼がどこかで見ているかもしれないから。この地球のどこにいるかも分からないあなたを思って、明日も横断歩道を待ちます。